セカンドキャリア

2016.02.06

プロ野球引退後、若手が会社員を希望

朝日新聞デジタル(2016年1月30日:http://www.asahi.com/articles/ASJ1X4Q0FJ1XUTQP00Q.html)によれば、若手プロ野球選手が引退後に希望する進路(「やってみたい」と「興味がある」の合計)は、1位:高校野球の指導者、2位:大学、社会人野球の指導者、3位:一般企業の会社員、という結果になりました。その中でも注目を集めたのは、7位から3位に浮上した「一般企業の会社員」でした。NPBセカンドキャリアサポート担当の手塚康二さんは「打撃投手など裏方のスタッフで残っても、1年契約の球団も多いし、先が見えないというのが現状。飲食店で失敗したという先輩の話も聞いているのだろう。年金や退職金のことも考えて安定志向になったのでは」と分析しました。

実施日 2015年10月
人数 238名
属性 宮崎県でのフェニックスリーグに参加した12球団の若手
平均年齢 23.7歳
投票方式 無記名投票

 

モチベーションの不連続はセカンドキャリアの失敗を招く

プロ野球選手はいわずと知れた超難関職業であり、それを志し、実現した彼らは「自己実現人」の集まりといえます。アメリカの心理学者マズロー(A. H. Maslow)は欲求には階層があるとし、高次の欲求として「自己実現欲求」「承認欲求」があると言いました。自己実現欲求は「自分の可能性に挑戦したい」「限界に挑戦したい」など挑戦と成長を表すもの、承認欲求は「認められたい」など社会やチームで存在感を出したいという欲求で、アスリートのモチベーションの源泉と言えるものです。一方、アンケートで解答された会社員は「生活の糧」「世間体」といった要素が強いように思います。再度マズローの言葉を借りれば、低次の欲求(衣食住の確保、安全に暮らしたい、仲間が欲しい)が見え隠れします。

モチベーションの源泉に不連続があるキャリアは当然ストレスを生みます。かねてから訴えている通り、セカンドキャリアは職業斡旋という外的要因だけでは解決できず、自己理解・職業理解など内的要因が必要になります。

 

引退後の人生について情報をしっかり持つべき

世の中には多様な業種があります。製造業や運輸業、小売業や飲食サービス業など総務省の大分類によれば20に分けることができ、中分類では99に分けることができます。単に会社員と言っても何百という業界・業種があるのです。また、企業には営業、総務、法務、公報、人事、購買、物流など多くの職種が存在します。世の中の仕事や仕組みを大枠に理解し、個人の価値・趣向や採用可能性を踏まえて、ピックアップした候補の中から引退後の自分にふさわしい職業を選択することが大切だと考えます。意思決定的職業選択と言いますが、アスリートは現役中から、世の中の仕組みや人の話に興味を持ち、たくさんの情報を持てるようにするとよいでしょう。

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