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2018.02.22

平昌オリンピック 観戦レポート

平昌オリンピック 観戦レポート
2018.2.11~2.15

2月11日、日本人アスリート史上最多のメダル獲得が期待される冬季五輪・平昌オリンピック観戦に向かいました。
アテネでは所属選手の応援、トリノ、バンクーバーでは指導を担当させていただいた選手の応援、今回の平昌は先端医科学スポーツアカデミー(AMSA)副代表理事視察としてのオリンピック観戦となります。AMSAでは多くのトップアスリートを自律神経、メンタル、遺伝子、腸内環境、視覚機能など様々なアプローチでサポートしています。

2月12日、午前中は、フィギュアスケート団体の決勝の観戦のため1時間ほどかけて江陵アイスアリーナへ向かいました。
競技開始1時間前、セキュリティチェックを受け中に入りますとまだ観客はほとんどいませんでした。徐々に席が埋まってきましたが、競技スタート時にはかなりの席が空いていました。
日本メダル期待も!と前評判は高かったのですが、羽生結弦選手の団体戦出場辞退もあり結果は5位。最初に行われました田中刑事選手のフリー演技は転倒があり、得点が伸びませんでした。坂本花織選手の演技もベストではなく、予選でも多くの選手が本来のパフォーマンスを出し切れなかったのは、競技時間と放映権を持つテレビ局の意向が反映した結果となったようです。いわゆる大人の事情です。日本選手に何が欠けていたのか?コンディショニング法にあったのかもしれません。
フィギュア団体の観戦を終え、夜は女子ジャンプノーマルヒルへ。
ジャンプ競技場はとても綺麗で新しい競技場です。とにかく寒い。-12℃、体感は-20℃以下で強風。シートを確保していましたが、日本選手の応援のため、あえてスタンディングエリアに行き、立って応援をしました。地面からの冷気で立って応援するのは1時間が限界で、韓国人の観戦されている方は少なく感じました。観客席からジャンプ台までの距離があり肉眼では選手の姿があまりにも小さく、迫力に欠けました。
1本目を終了して高梨沙羅選手が3位につけましたが、1本目終了後、風が強くなり強い頭痛と吐き気であえなくこの日はリタイアとなりました。

2月13日は、ショートトラック女子500M 予選・決勝、男子1000M、男子5000Mリレーを観戦しました。韓国選手最大の活躍の場ということで、韓国の応援団が会場中を占め、日本人の応援はあまり見かけませんでした。メダルの期待もあった世界ランク6位の男子リレー日本チームは、残念ですが転倒した選手も出て予選敗退となりました。

2月14日は、午前中スノーボードハーフパイプの観戦でした。スノーボードは、世界のトップスター、ショーンホワイトが出場するということもあり、地元韓国の有力選手が出場しないにも関わらず満席状態でした。1時間前に競技場に到着しましたが、セキュリティゲート前は長蛇の列が。ゲートを出るころにはすでにスタート時間を過ぎ、競技が始まってしまっていました。
日本選手は、予選を通過した3名のランとなりました。金メダル候補、平野歩夢選手の1回目のランは転倒。戸塚優斗選手は2回目のランでエアの着地に失敗し、5mの高さから落下、身体を激しくハーフパイプのエッジに打ち付けボトムまで転がり落ちてしまいました。観客の悲鳴が会場中にこだまし、戸塚選手は全く身体を動かすことができません。すぐにメディカルレスキューが担架で戸塚選手を搬送。不穏な空気が会場中を包んでいました。
平野歩夢選手の2回目のランは驚異的なパフォーマンスを繰り出し、95.25の高得点。 1回目のショーンホワイト選手の高得点をしのぐ最高点で、トップに立ち、平野歩夢選手 vs ショーンホワイト選手の金メダル争いになりました。3回目のランで着地に失敗した平野選手は競技を終了し、ショーンホワイト選手のランの結果を待ちます。ショーンホワイト選手の3回目のランはなんと97.75。平野選手を上回る高得点で3度目の金メダル獲得となりました。
ショーンホワイト選手のランに会場中で大きな歓声が沸き起こりました。惜しくも平野選手は銀メダルで終わってしまいましたが、世界最高峰の闘いを直接観戦できる機会に恵まれ、ショーンホワイトの2度の金メダル獲得の瞬間に立ち会うことができて幸運でした。

最終日、19時から江陵アイスアリーナでスピードスケート女子1000mの観戦に行きました。アイスアリーナの近くには平昌最大のオリンピックオフィシャルグッズショップがあります。オリンピックオフィシャルグッズを購入するため前日に下見をして楽しみにしてオフィシャルショップに向かうと、何と強風の影響ですべてのショップがCLOSED。ショップ前に来た観客はCLOSEDを知ると肩を落としてその場を立ち去りました。

小平奈緒選手、高木美帆選手の両選手にメダル獲得の期待がかかります。小平選手は女子1000mの世界記録保持者。日本人の応援団も会場に見受けられます。バンクーバーオリンピックでもスピードスケート女子1000mを観戦し、この時も小平選手、高木選手が出場していましたが、日本人選手のメダル獲得はなりませんでした。
今回の結果は小平選手が銀メダルを、高木選手が銅メダルを獲得。バンクーバーオリンピックでの小平選手のタイムは1分16秒80、平昌オリンピックでの小平選手のタイムは1分13秒82で、この4年間で3秒も早くなっています。8年間の努力の結晶が銀メダルという結果に現れました。

トップアスリートたちの闘いの中、多くのドラマが繰り広げられるオリンピック。平昌では、選手も耐えられないほどの厳寒、強風等の自然環境や運営面等、オリンピック開催地として疑問も残しました。私自身も、過去4度のオリンピック観戦で、6度の日本人選手の金メダル獲得の瞬間に立ち会うことができましたが。今回はそれもなく、最も辛いオリンピック観戦となってしまいました。しかし、世界と闘う日本代表選手を、平昌の地で応援できたことを誇りに思います。東京五輪では、ぜひスムーズな運営と、選手・観客の立場に立ったシステムを構築して成功させてほしいと思います。

どの種目でも転倒やミスが目立ちました。出場するどの選手も世界トップクラスの実力ですが、直前のコンディショニング法に問題があったのかもしれません。
身体をコントロールする、心。その心以上に自律神経のコントロールが大きくアスリートのパフォーマンスを左右します。フィジカルやメンタルトレーニング同様、自律神経トレーニングが導入されていれば結果はまた違ったかもしれません。
AMSAでも次世代のアスリートに対し、フィジカル、メンタルに次ぐ第3のトレーニングである自律神経トレーニングの重要性と手技や知識、そして腸内環境、栄養や視覚機能、ゲノム解析でのサポートを普及させるように努めたいと考えます。

文:
先端医科学スポーツアカデミー(AMSA) 副代表理事
さかえクリニック 院長
末武 信宏

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