自律神経計測サービス ~Lifescore~

Lifescoreサービスのコンセプト

自律神経の活動状態は、季節や気候、天気によって変わることはもとより、仕事をしている人であれば、仕事をしている平日と仕事をしていない休日とでも、変動する。また、1日の中でも、朝、昼、晩で変動する。このように刻々と変化する自律神経の活動値を、常に記録、蓄積することができ、後から、自分の行動とともに振り返ることができれば、自らの行動で何がストレスになっているのか、あるいは何がリラックスできる行動なのかがわかり、日常生活の改善、行動変容、ひいては長生きにもつながる。Lifescoreサービス(WINフロンティア株式会社が提供)は、このような現代人の健康管理ニーズを捉えた、全く新しいサービスであり、ウェアラブル情報機器を日常の健康管理に直接役立てる先進的なサービス例である。

 

Lifescoreサービスの評価項目と解析ロジックの概要

Lifescoreサービスでは、胸部に貼る超小型・軽量の心拍センサ(WHS-1、ユニオンツール社製、図1参照)を使用して、心拍周期の揺らぎを高速フーリエ変換によって周波数解析し、0.04Hz~0.15Hzを低周波数成分(LF)、0.15Hz~0.4Hzを高周波成分(HF)として、自律神経の活動値を計測している。

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超小型・軽量の心拍センサ(WHS-1)

 

しかし、これまで、このような心拍センサを使用して、日常生活において長時間にわたって自律神経活動を測定するサービスは世の中に存在しなかったため、測定結果を評価するための基準値を策定する必要があった。Lifescoreサービスでは、150人以上の各世代の男女の24時間計測データを基に、基準値を算出し、評価の物差しとしている。その基準値を使用して、Lifescoreサービスでは、図2に掲載するメンタルコンディション、フィジカルコンディション、及びそのバランスを知ることができる。メンタルコンディションは、心拍周期の揺らぎから周波数解析によって算定される自律神経の活動量を基に、「起きているとき」、「行動ごと」、「寝ているとき」という3つの切り口での評価を行っている。一方、フィジカルコンディションは、この心拍センサに搭載されている3軸加速度センサを使用して、体の動きを解析することにより、「カラダを動かした時間」と「姿勢の美しさ」を評価している。

 

Lifescoreサービスの評価項目

Lifescoreサービスの評価項目

 

以下では、主にメンタルコンディション(自律神経の状態)について詳述する。まず、はじめに、「起きているときの自律神経バランス」については、心拍センサで測定した毎分の自律神経バランス(LF/HF)の数値に応じて、メンタルコンディションを「リラックス」、「標準(ややリラックス)」、「標準(ややストレス)」、「ストレス」の4段階に分類して、その時間割合を表示している(図3参照)。自律神経のバランスが取れていた時間(ここでは、「標準(ややリラックス)」と「標準(ややストレス)」に相当)が長いほど、評価は良くなる(A,B,Cの3段階で評価)。

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図3 「起きているときの自律神経バランス」

 

次に、「起きているときのトータルパワー」については、自律神経の総合活動量から疲労の程度を見る指標として表示している(図4参照)。加齢につれてトータルパワーは減少するという傾向が統計的に得られているため、Lifescoreサービスでは、測定者のトータルパワーがその人の年齢に対して高いか低いかを、統計的に比較して、評価結果をA,B,Cの3段階で表示する。トータルパワーが高いほど疲労度が少なく元気な状態と言える。

起きているときのトータルパワー

図4 「起きているときのトータルパワー」

この心拍センサは非侵襲で、装着したままほぼ日常生活が送れるという利点を有しており、その利点を活かした評価項目として、「行動分析」(行動別の自律神経バランス)がある(図5参照)。ここでは、1日の行動ごとの自律神経バランスを表示する。自分の1日の行動を行動記録用紙、またはスマートフォンのアプリケーションに記録しておくと、何をやっていたときに、ストレスを感じていた、あるいは、リラックスしていた、かがわかる。また、行動毎に自分の「気持ち」を3段階(「リラックス」、「普通」、「ストレス」)で記録しておくと、心拍センサで計測した値と「気持ち」のギャップが明確になり、自分のストレッサーが何かを知ることができ、生活習慣の改善等に役立てることができる。

行動分析図5 「行動分析」※ここでは、12時間の行動分析データとなっている。

 

Lifescoreサービスの将来像

現在、Lifescoreサービスにて使用している心拍センサは、モバイル端末(スマートフォン、タブレット等)への通信が限定されたものであるが、近い将来、モバイル端末への通信が可能になる。そうすると、刻々と変化する自律神経の状態をセンサで捉え、そのデータをモバイル端末に送信し、端末画面上に表示したり、一定の閾値を超える場合には、モバイル端末が何らかのワーニング(警告)を発することで、サービス利用者は自身のココロとカラダの状態をタイムリーに知ることができ、改善のためのアクションを取ることができるようになる(いわゆる、バイオフィードバック)。例えば、オフィスで長時間働くことが常態化しているビジネスパーソンであれば、パソコン作業に集中するあまり、交感神経が過剰に優位になり、活動量も全く増えない状態が一定時間続いたときに、モバイル端末から警告メールが送られてくるといった事例が考えられる。さらには、そのような交感神経過剰状態を鎮めて、副交感神経を上昇させるために、モバイル端末からおすすめのリラックス音楽が配信されるような、ソリューションとの連携というのが求められてくる。そして、このような測定結果の履歴は、クラウド上でデータ管理され、サービス利用者はいつでも、どこでも、自分のデータを振り返ることができる。そうすると、自分のストレスになっている行動が、「会議」なのか、「デスクワーク」なのか、あるいは、「上司とのランチ」なのかが発見できるようになり、そのような自分にとってのストレッサーをタイムリーに回避する行動パターンを取ることも可能になってくる。このようなサービスが実生活に根付くことで、現在、増加の一途をたどっているうつ病等のメンタル不調者が減少するとともに、少子化が加速し、労働人口の減少が危機的な状況になることが想定される日本のホワイトカラーの業務効率が大幅に改善され、結果として、日本経済の発展に貢献することを願って止まない。

 

WINフロンティア株式会社 代表取締役社長 板生 研一

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